奏楽堂で早春に歌う

2月2日は上野の奏楽堂(重要文化財旧東京音楽学校)で、アリアと歌曲のコンサートに出演しました。

この日は午後に少し気温が上がり、春の気配が感じられる一日になりました。

 

この奏楽堂は、東京音楽学校(東京藝術大学の前身)にあった古い建物を、移築し、復元し、そして今回は耐震補強などのためにリニューアルしたということです。

改装しても、レトロな雰囲気はそのまま。

コンサートを聴きに来たことはありましたが、歌うのは初めてです。

 

私の歌は、「さくら横丁」『フィガロの結婚』の伯爵夫人のアリア(3幕)『トスカ』のアリア(2幕)の3曲を予定していました。

・・・が、なんと8名中3名もの出演者が体調不良(インフルエンザなど)で欠席になったとのこと、本番2日ほど前に連絡をいただき、急遽『蝶々夫人』の「ある晴れた日に」を増やすことになりました。

この時期のコンサートは、出演者も、お客様も、体調管理との闘いですね・・・(汗)

今年はインフルエンザめっちゃ流行っているし・・・。

 

「さくら横丁」(別宮貞雄作曲)は、一昨年亡くなった大賀寛先生に日本語唱法研究会で最後にみていただいた曲で、本番で歌ってみたかった。

『フィガロの結婚』は、今年6月に全幕公演を企画しているので、歌ったことのない3幕のアリアを自分のものにしたかった。

 

そうは言ったものの、伯爵夫人のアリアは直前まで暗譜が心配で、くよくよ悩んでピアニストさんを困らせたりしました(苦)

でも、当日舞台に上がれた時点で8割は成功だから(笑)

歴代の大御所も歌ったであろうこの会場で、『トスカ』や『蝶々夫人』のアリアが歌えるとは、なんと幸せなことでしょう。

 

ドレスは迷いましたが、プラム色の光沢のあるドレスにして、前半2曲と後半2曲でショールの色を変えました。

 

舞台裏の階段が狭くて急なので、手すりにしがみつきながら、そしてドレスを踏みながら上がり降りするのも(笑)、私にとっては楽しい経験になりました。

こういうところを改装していないのも、逆に良いのかも。

 

本番が始まり、「さくら横丁」の演奏がスタートすると、まだ咲いていない上野公園の桜が窓の向こうに見えるような気がして、様々な思いが頭を巡りました。

「さくら横丁」のおかげで、あとはどうにかスムーズに歌い続けることができました。歌うことができて本当に良かったです。

 

古くからの友人や知人が何人も足を運んでくれて、とても嬉しかった!

終演後は、お隣の東京都美術館の中にある「カフェアート」で「伝統のカレーライス」をいただきました。

本番後のカレーは美味い!