落語と竹灯籠能

11月9日は、千歳烏山の妙壽寺に「一之輔落語×竹灯籠能『羽衣』」を観に行ってきました。
世田谷区の千歳烏山には「寺町」と呼ばれる仏教寺院の立ち並ぶ一帯があり、都心とは思えない静寂な空気に包まれています。
訪れてみるまで、全く知りませんでした。

演劇雑誌でたまたま目に留まった公演でしたが、毎年来ている人も多いらしく、本堂の中は満席!

 

春風亭一之輔師匠は、さすがに当代人気の落語家さんだけあって、話も面白いし、本編に入る前の「まくら」も面白い。日常のネタが巧みに盛り込まれていて、現代の落語、という感じ。

話し始めると空気ががらりと変わるようなオーラがあり、どんどん引き込まれていきました。

前座の方(お弟子さん)が「子ほめ」、一之輔師匠が「二人癖」「天災」だったのではないかと思う。

 

そのあと、お寺のご住職と一之輔師匠、能楽師の浅見氏の3人による座談会(雑談会?)。

後半は、代々木果迢会の竹灯籠能。

 

日が落ちて、本堂の周りがだんだんと暗くなってくる中、舞台を囲むように置かれた竹灯籠にロウソクが灯され、お能が始まりました。

 

天女は、白い衣装でたいへん厚着でしたが、水浴びをしている設定なので、これが何も身に着けていないということなのでしょう。豪華な赤っぽい衣装が羽衣のようで、三保の松原を象徴した盆栽のような松の木にかけられています。

羽衣を手に入れた善良な漁師とのやり取りが厳かに行われ、天女は割とすぐに羽衣を返してもらえて、無事に天に帰っていきました。

能は昔話と違い、漁師と夫婦になって何年も暮さなくてもOK。

めでたし、めでたし。

 

外に出ると、天女が帰った空には月。

お寺の門まで竹灯籠が灯されており、幻想的な光景でした。

 

舞台の竹灯籠をお土産にもらえたので、持って帰って灯してみました。