2020年が暮れていく

「年暮る」をモチーフにした和菓子

昨年の大晦日、2020年がこんな年になるとは思いもしませんでした。
先が見えない森の中を、必死で駆け抜けたような一年でした。
年末が来て、東京のコロナ陽性者は増え、ますます予断を許さない状況になっています。

しかしそんな中でも、今日こうやって大晦日を迎えられたことに心から感謝したいです。

この一年間、大変だったけど本当に多くのことを学びました。
出来なかったことも多かったけれど、全く八方塞がりというわけでもなく、工夫してどうにかなったことも多かったからです。

個人的にはとりあえず昼間勤めている仕事は失わず、音楽のほうでも9月には大切な受賞コンサートができました。コロナが少し下火になっていた時期でした。受賞コンサートで何を歌うか、zoomで画面共有しながら森朱美先生に見ていただいたことも良い思い出です。

 

ところで、先週末のお香の会のテーマは「除夜香」でした。
今年一年間に思いを巡らせながら聞いたお香の数は、試香3、本香13の合計16で、これは普段よりかなり多くて、静かでとても贅沢な時間でした。

会の後の茶話会では、除夜に因んだ和菓子が出されました。

この季節に青い和菓子は珍しいなと思っていたら、東山魁夷氏の「年暮る」という絵画がモチーフになっているとのこと。

「年暮る」は、大晦日の京都の街に青い屋根がただただ連なり、そこに静かに雪が降っている、という景色を描いたものだったかと思います。

青い色が染み入るような、とても素敵な絵です。

 

ゆく年を送る数時間は特別な時間で、好きな時間です。

この世界に生きていることを大切にして、2021年に向かいたいと思います。