春祭におけるマエストロ週間2021

先週末まで、上野を中心に「東京・春・音楽祭」、略して「東京春祭」が行われていました。

目玉として、指揮者のリッカルド・ムーティ氏が来日し、約2週間に渡ってワークショップやオペラ公演、コンサート等を行いました。その様子は現場ではもちろんのこと、オンラインでリアルタイムに観ることもできたのです。

東京が緊急事態宣言に入る直前のことで、今思うと、この状況下でマエストロが来日できたことも奇跡、毎日公演ができたことも奇跡に近い。

 

今回取り上げられたオペラは、ヴェルディの歌劇『マクベス』です。

日本人キャストだけの組と、主要役が外国人キャストに代わる組があり、まず作品解説を兼ねた、日本人キャストの公開レッスンからスタートしました。

その後、オケや合唱のリハーサルの様子、そして本番のオペラ公演(今回は演奏会形式)まであったのですが、マエストロ・ムーティの音楽作りや指揮を体感できる、すごい企画だと思いました。

ヴェルディの他のオペラも取り上げてほしいです~。

 

ムーティの熱烈なファンである友人は、全てを現場で観るために有給を取って休んだと言っていました。

オタク過ぎでは・・・。

私はそういうわけにもいかなかったので、見られる時間帯のみ、原則オンラインで自宅で観ることにしました。

以前音楽仲間の家を訪問したとき、スマホから「JBLのスピーカー」に音を飛ばしていて、なかなか良い音だった。私もあんな感じでパソコンから飛ばしてみようかと。

うちにあった小さいスピーカーを、部屋の真ん中の照明器具にぶら下げたら、音が広がって、ちょっとしたコンサートホールみたい(笑)

想定以上の臨場感になったので、それを聴いて、楽しく最初の数日間を過ごしました。

 

リハーサルも後半に入り、外国人キャストが加わったころ、音楽仲間から連絡があり、「凄く良いから、本番は是非実演で聴くべき」と言うのです。しかし、スケジュールが。

この時はまだぐずぐずしていて、4月19日のオペラは事前に申し込んであったオンラインで聴くことにしました。

結果、オンラインで聴いても公演のクオリティや熱量がひしひしと伝わってきて、特にマクベス夫人役のアナスタシア・バルトリは声も表現力も素晴らしく、大器を感じさせました。

 

どうしても生の音で確かめたくなり、4月21日は万障繰り合わせて、東京文化会館へ。

アナスタシアはもちろんのこと、どのキャストも素晴らしく、オケもマエストロの指揮にぴったりついていて、弱音まで美しかったです。

やはり生の音は良いです。波動に身をゆだねることができるので、高揚感が半端なくて、わざわざ来て本当に良かったと思いました。

後々まで仲間と語り合う、歴史的公演のひとつになったんじゃないかなと思います。

脳が興奮したのか、その日は当然、なかなか寝付けませんでした。

 

4月22日のモーツァルトの交響曲は、オンラインで聴きました。

ムーティ指揮のオケを、自宅でご飯を食べながら聴けるなんて、なんと贅沢なことだろう。

しかも2,500円。

オンラインでもちょっと工夫すると、クオリティが上げられることが分かったので、要研究です。

でも、私はオーディオオタクでは無いので、ちょっと良くなったくらいで充分嬉しいのだと思いました。

いろいろ発見のあった春祭でした。