都内の夏、ミッドタウンの夏

今年のお盆は帰省を諦めた。

東京の感染者数が5,000人を超えてしまい、帰省するのも気が引ける。

 

三連休のお天気はイマイチだったし、都内で過ごそうということになり、友人と久々に六本木ミッドタウンに出かけた。

浴衣を着て出かけようという要請が友人からあり、OKする。

夏の着物は、着ているほうは暑いが、見ている人を涼しくさせ、やはり風情がある。

見ている分には、着物は夏が一番好きかもしれない。

 

こんな機会でもなければ今年は着なかったであろう、竺仙のホオズキ柄の「松煙染小紋」を出してみた。

渋い。松煙染小紋は色が渋い。

合わせるのは紺色の博多の紗献上にしようか、黄色の格子の麻帯にしようか迷ったが、黄色でいくことにした。

 

まず地下の「虎屋茶寮」で、浴衣の展示を少し見て、和菓子と抹茶。

私は「松葉牡丹」、友人は「夏の野」を注文。

とらやの和菓子は安定の美味しさで、見た目も美しく、抹茶も美味しかった。

最近は茶道教室でも(コロナ対策のため)その場で抹茶が飲めなくなっているので、こういう時間は嬉しい。抹茶は免疫力を高めると言われているから、飲んだほうが良いと思うのだが。

 

地味な夏休みとしてはこれだけでも充分なのだけれど、サントリー美術館にも行くことにした。

「ざわつく日本美術」という表題で、よそ様から借りてきたものではなく、すべてサントリー美術館の所蔵品を、切り口を工夫してうまく展示してあると思った。

たとえば「ふた」を見せて「この本体はどんな感じのものだと思います?」とか、普段は上からしか見ない器を「これは裏から見るとこんなことが書いてあるんですよ、おしゃれ~」とかいう方法である。

(一部を除き)写真撮影可という太っ腹な美術展だったので、装束好きな私は能装束を中心に写真に撮りました。精緻な手仕事にうっとり。

 

ミッドタウン内にあるガチャガチャ(カプセルトイ)を引いたら、可愛い「招き猫」が当たった。

「日本の縁起物」というシリーズで、張り子でできており、小さいながらも良くできた作りである。

今年の夏はこんな感じで、都内で静かに楽しく過ごしていこうと思っている。